歯周病

歯周病について

以下のような症状、悩みはありませんか?

こんなことを感じるなら、あなたのお口は歯周病になっているかもしれません。

歯周病は、いまや国民病といわれるほど、多くの成人がかかっているお口の病気です。しかし、むし歯のような明らかな症状が少なく、歯科医院で見つかったとき、あるいは自分でいよいよおかしいなと感じたときには、もう手遅れ=抜歯といったケースもある怖い疾患です。しかも、歯周病がやっかいなのは、単にお口の中の問題だけではなく、全身疾患ともその関係が明らかになっていることです。歯周病についても、やはり早期発見、早期治療が大切です。定期検診などの際に、ぜひ担当医やスタッフにご相談ください。

歯周病の原因

歯周病の原因

歯周病の原因は、お口の中で繁殖する歯周病菌など細菌のかたまり、プラーク(歯垢)です。これは粘着性が強いため歯にしっかりと付着しているものの、正しいブラッシングを行えばケアが可能です。ただし、それを怠るとプラークは長い間、歯に付着したまま石灰化し、歯石になります。歯石はまさに堅い物質となり、自分では除去できません。歯科医院でクリーニングしてもらわない限り、歯肉(歯ぐき)の炎症=歯周病へと進行していきます。

歯周病は、初期段階では痛みなど明らかな症状が少ないので、①で示したような症状を自覚したならば、一度、当院へご相談ください。また、喫煙者の方は歯周病が進行している場合が多く、要注意です。

歯周病を放置すると

歯周病は初期段階では自覚症状が少ないため、患者さまご自身で率先して治療にみえることの少ない疾患です。 そのため、多少気になる点があっても、放置するケースが多いのも特徴の一つです。そして、放置したまま静かに症状が重くなり、いざ受診しても、すでに歯がぐらぐらになり、その治療に時間もかかる上に、最悪、抜歯の可能性もあります。しかも、歯周病の場合は、歯を1本抜いて終わりということは少なく、その下の歯を支える骨にまで悪影響が及んでいることや再発も予想され、治療後のお口の健康の維持にはますますの努力が必要となります。

もちろん、当院で定期検診を受けている患者さまなら、症状を自覚する前から何かしらの兆しをスタッフが発見することもできます。歯周病も早期発見、早期発見が鉄則ですので、早めにご相談ください。

歯周病が影響を及ぼす他の疾患

最近の研究によると、歯周病と全身疾患に密接な関係があることがわかっています。
歯周病菌が体の中をかけめぐることで、たとえば、糖尿病・心筋梗塞・脳梗塞・誤嚥性肺炎・アルツハイマー病・低体重児早産・骨粗鬆症・肥満など多岐にわたる疾患を引き起こしていることが証明されているのです。これらの疾患のリスクを減らすためにも、日頃から歯周病対策を講じておくことをおすすめします。

歯周病予防のためには

歯周病予防のためには

歯周病は、かかってからの治療よりも、何より予防が大事。普段からの患者さまご自身のケアと歯科医院での定期的なクリーニング。この2つのお手入れを励行することで、歯周病にまだかかっていない方は疾患そのものの予防に、そしてかかっている方も、症状悪化を防ぐことが期待できます。

当院の歯周病治療

歯周病には、以下のような段階があります。症状に応じて、治療を進めていきます。

正常な状態

歯石がついてはいても、歯ぐきに大きな影響を与えるほどではない段階。歯石はブラッシングでは取り除けないので、受診して歯石除去=クリーニングをする必要があります。歯石がついた状態を放置すると、歯肉炎、さらに歯周炎へと進行します。

歯肉炎・歯周炎初期段階

歯石を放置すると、その部分がきれいにブラッシングできずに磨き残しとなり、歯石に巣くう歯周病菌に冒され、歯ぐきに炎症=軽度の歯肉炎が起きます。炎症が軽症なら歯ブラシに血がつく程度であまり深刻に考えない方が多いようですが、手遅れになる前に受診することをおすすめします。そして、炎症の進行を抑えるためには、やはり歯石を除去しなければなりません。しかも、肝心なのは、歯の表面だけではなく、歯周ポケット(歯と歯ぐきの間)の歯石も除去すること。歯石を取り、きちんとブラッシングすることで、この段階の症状は問題なく、予防もできます。

歯周炎中程度・重度

さらに症状が進むと、むし歯のような痛みはないものの、歯ぐきが腫れぼったくなる、歯が揺れる感じがするなど、健康なお口の状態よりは多くの違和感が生じるようになります。この段階までに、ぜひ受診してください。歯周ポケットに深く歯石が入り込んでいる場合には、麻酔(※)をして歯石除去を行い、改善を目指します。
(※)麻酔:当院では、歯ぐきに塗るタイプの麻酔、細い針で針先だけを刺す痛みの少ない麻酔などの工夫を施し、痛みを減らすことに努めています。

患者さまのお口の状況次第で、歯周病についての治療が変わりますが、定期的な検診=クリーニングに通っていただくのは、ほかの疾患対策と同じです。

当院の予防的歯周病治療

当院では、まず患者さまのお口の中の細菌について検査(無料)を行います。お口の中の歯垢と唾液をぬぐって、顕微鏡で歯周病菌の状態をチェック。歯周病を発症していない患者さまでも、歯周病菌の割合が多ければ、当然発症のリスクが大きいというわけです。

その検査結果を受けて、必要に応じて、レントゲンや院長が目でお口の状態を確かめるなど歯周病について多角的に調べます。そして、状況によっては歯周ポケットの検査なども行い、治療に向けた準備を経て、治療へと進みます。

細菌検査の結果、菌が多かったり、活発だったりした場合、当院では「歯周病の内科的治療」(自費)をおすすめしています。これは、数種類の薬剤を使用することで、細菌を除去していく方法です。来院時の診療の際には音波ブラシでプラークを除去し、抗菌作用のある薬剤で洗浄することに加え、ご自宅でも抗菌作用のある薬液でブラッシングやうがいをします。

細菌検査と歯周病の内科的治療を行うことで、患者さまのお口の中の状況を把握し、できるだけ菌の少ない状態を維持して、歯周病予防とします。

治療後のメンテナンス

治療後のメンテナンス

歯周病がどの段階であっても、基本は定期的な検診=クリーニングによるメンテナンスが基本です。インターバルは患者さまの症状によりますが、3~4カ月に1回程度が適切でしょう。治療をしても症状が安定しない、磨き残しが多い、歯垢がつきやすいなどの傾向のある方は、1~2カ月に1回で様子をみることもあります。

クリーニングでは拡大鏡を使用することで、歯石のまわりの組織を傷つけずに歯石だけ取り除くことが可能です。また、レーザー治療を行い、炎症が進行しているケースでは歯周ポケット内の菌を殺菌し、炎症を抑える効果が期待できます。

よくある質問

Q 歯周病とは何ですか?
A
歯周病は、歯周ポケット内に蓄積したプラークや歯石が原因で、歯周組織が炎症を起こし、進行すると歯が支えられなくなる歯科疾患です。
Q 歯周病の症状は何ですか?
A
歯周病の症状には、歯ぐきの腫れや赤み、出血、口臭、歯の動きや違和感があります。症状が進行すると、歯槽膿漏や歯の抜け落ちの原因となることがあります。
Q 歯周病の治療方法は何ですか?
A
歯周病の治療は、まず歯石やプラークの除去を行い、歯周ポケットを清潔に保ちます。重度の場合には、歯周手術や抜歯が必要になることもあります。
Q 歯周病の予防方法は?
A
歯周病予防の基本は、正しいブラッシングとフロスの使用でプラークを除去し、定期的な歯科受診で歯石を取り除くことです。また、喫煙は歯周病のリスクを高めるため、禁煙をおすすめします。
Q 歯周病は感染しますか?
A
歯周病は細菌性の疾患であり、唾液を介して感染する可能性があります。ただし、免疫力や口腔ケアなどさまざまな要因が関与するため、感染が必ず発症するわけではありません。
Q 歯周病は全身疾患と関連があるのですか?
A
歯周病が進行すると全身疾患、特に心臓病や糖尿病、妊娠合併症などのリスクが高まることが研究で示されています。歯周病の早期発見と治療が全身疾患の予防にも役立ちます。